自治体主催のAI婚活の気持ち悪さ

最近よく聞くようになったAI婚活。しかも自治体主導、国主導での婚活、結婚支援って、めちゃくちゃ気持ち悪いと思うのは限られた人だけなのだろうか。それとも少子化対策の一環としてアリじゃないのと思う人の方が多いのか?AIって近頃の流行りだしまぁやるだけやってみてもいいんじゃないのという感じか、世論が分からない…。

自治体に近い業種にいるので、わたしの住んでいる基礎自治体でも結婚支援やらないのという話がちらほら出てるらしいと聞くけど。わたしは自分の自治体でこういうことに予算を使われるのは嫌だなぁ。

婚活支援もたぶん色々な文脈があるのだろうけど、主な文脈としては、こんな感じ?2つ目はほとんどなさそうだけど。

少子化対策。婚姻件数の現象が少子化に繋がっているから、婚活を支援して婚姻件数が増えれば子どもも増える?

・移住・定住対策。自治体の事業でで結婚してその自治体にカップル、ゆくゆくは子どもも含むファミリーで定住してくれるとその自治体にとってプラスになる?

さらに、AIが絡む意味がよく分からないけど、理由はこんな感じか?

・AIとかICTとか流行りだから?

・利権?(想像でしかないけどまずこれを考えちゃうよねー)

・民間事業者(結婚相談所等)のサービスが不十分。特に一番重要なマッチングの部分が、昔ながらの勘や経験といったものを中心としたノウハウで経営していて十分に洗練されていないことが多い。マッチングの部分をAIでやればうまくいくんじゃない?的なこと?

【わたしが自治体主導の結婚支援を気持ち悪いと思う理由】

すべてが?って感じなので、大枠から細かいところまで書くとほんとにきりがない気がするけど、ざっくりと書くと。

まず一番は異性愛中心主義であること。多様性だ、SDGsだと言っておきながら男女の恋愛を当然のごとくメインストリームだと規定し、それを金で支援している。また法律婚中心主義でもあること。子どもを持つという選択は法律婚をしている男女カップルに限られるものではないのに、その辺の話をすっ飛ばして当然のごとく異性愛法律婚を奨励している。(まぁ夫婦別姓だっていまだに実現されない国だからある意味当然の帰結なのだが。)そして結婚そのものを奨励していること。結婚するだけが人生ではなく、いろんな人といろんな形で繋がりを持ちながら生きていく選択も全く誤りでないのに、結婚が良いもので正しいことという価値観を前面に出している(自治体側は、あくまでも結婚したい人を応援してるだけですと言うのだろうけど…)。民間事業者は様々なニーズに応えるためにいろんなサービスがあって当然だけれど、国や自治体がそれを自分たちでやることはまた違った意味を持つと思う。

それからジェンダーの再生産がすごい。たとえば愛知県がやっているポータルだと、婚活いろはたしなみ講座というページがあり、男女別でメールの書き方やコミュニケーションのコツ、お酌のマナーまで・・・いやもう最悪ですね!

あいち出会いサポートポータルサイト あいこんナビ

あとはAIの唐突感は結構あって、わたしはあまり詳しくないけど、AIのブラックボックス感はすごいと思う。成婚までいったカップルがその後うまくいくのかという点は後々にならないと分からない話で、今●組中◯組成婚というのが果たしてどれくらい少子化対策の意味を持つのか(自治体で予算措置をしてやるほどの成果が上がるのか)というところは、謎だと思う。

自治体も導入する「AI婚活」埼玉県では77組のうち33組がAI支援で成婚 - ライブドアニュース

少子化対策の話でよく言われることだけど、国や自治体がやれるのは子どもを産み育てたいと人々が思える環境を作ることであって、子どもを作らせることそのものではないのだから、もっと周辺の福祉を整える方が後々の成果につながるのではないかなぁ。住居の確保の支援や保育、教育費用の担保、環境の整備とか。

そういう研究をされている方がきっといると思うので、本でも探してみよう。