いくつかメモ

▼ポピュラーカルチャーの中で、男性→女性、女性→男性の異性装が行われる時の話。女性→男性は、家族(特に父や兄、弟などの男性成員)のために異性装を行う場合が多い。戦闘に行くこととセット。また、同性愛は起こらない。かならず戻ってきて女性に返り、男性と結ばれる。また、異性装をしている間、かならずそれをサポートする味方(男性性)がいる。オスカルにとってのアンドレ、ムーランにとってのムッシュサファイアにとってのチンク、というような。

▼「噂の2人(Children's Hour)」という映画をみた。オードリー・ヘプバーンシャーリー・マクレーンという有名女優二人が主演を張っている。オードリーの美しさはすごいけど、わたしはマクレーンのほうがタイプ。てっきり2人ともお互いに思いあっているのかと思いきや、そこは不確か。マクレーン演じるマーサのほうは自分の気持ちにはっきりと気が付き、絶望して自殺。救われなさすぎ。オードリーのほうは、男性医師と婚約をしているんだけれど、最後の終わり方をみるに、その医師と結ばれるわけでもなさそう。同性同士の関係って、可視化される前はあれぐらい不確かなものなんだろうな(自分だって、同性同士の恋愛が「アリ」だと思いもしなかった中学生のころはあんな感じだったもの)。そして、最後のマーサのお葬式のシーンでは、きりっとした顔をして歩いて出て行くのが印象的。
本筋以外では、子役のメアリーの圧倒的なふてぶてしい演技がすごかったのと、マーサのセリフ「触れられるとたまらないの」という字幕が妙に頭に残っている…もとの英語のセリフはなんだったのだろうか。「キスをした」という嘘の噂だけで経営していた学校がつぶされるというストーリーのなかで、そのセリフだけが身体接触に直に言及しているせいか、なんだか浮いて見えた。