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散らかった頭の中をさらに書き散らかしています

からくりからくさ

 

からくりからくさ (新潮文庫)

からくりからくさ (新潮文庫)

 

 最近、数年前に読んだ本を読み直すキャンペーンを一人でしていて、久しぶりに読んだ本。初読は中学生ぐらいか?大学の時にも何度か読んでいて、たぶん3年ぶりぐらいに読んだ。梨木さんの作品の中でも好きな本。

自分が年齢を重ねたからだろうけど、印象に残る部分がだんだん変わってきてるのが分かって、面白い。今回は紀久さんの「地の底のようなくらいどこかの場所で、身をかがめてこちらを窺っている何かの気配」とか表現されているどろどろした感情、蓋を開けたら際限なく出てきてしまいそうな自分の中のどす黒い何かの存在が、なんか分かるなと初めて感じた。最近自分が似たような感情の渦の中にいるからだと思う。この年齢になるまで知らなかった自分の中の一部。女というカテゴリーと安易に結びつけては語れないもの。

シェアハウスしている4人のうち3人は、染色や織物に関連する研究をしたり仕事をしているんだけど、芸術に関連することを生業にして生きようとする、そういう選択をうらやましく感じたのも初めてかもしれない。自分が惹かれるものを研究対象にして打ち込めることにジェラシーを感じたり。

紀久さんの織り子に関する原稿を、男性権威が横取りしようとする話に憤りを感じるのも、こういうことが現実によく起きるってことを身を以て知った今だからこそ、腹がたつし、一緒に戦ったり憤慨したりしてくれる与希子さんや蓉子さんの存在を頼もしく思ったりもして。

いいタイミングで読み直せた気がする。自分が今気にかかってることが読書を通じて現れてくる感覚が良かった。

しかし、この本を読んで織物をやりたいとか思う自分はつくづくミーハーな人間だと思うのでした…