Buzzing noise.

散らかった頭の中をさらに書き散らかしています

ボーイズ・ドント・クライ



筋書きをいろんな人から聞いて、まったく見る気がしなかったのだけれど、ついに見た。この前授業で見た「ウーマン・ラブ・ウーマン」のクロエ・セヴィニーがかっこよすぎたので、この人を違う作品でも見ようと思い検索していたらボーイズドントクライにも出てるとの事だったので、しぶしぶ…。で、見始めてはみたものの、結末を知っているせいか序盤から辛くて辛くてまともに見れず。15分ずつぐらいのぶつ切りでなんとか全部見終えた。

ヒラリー・スワンクはこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞しているが、とても納得のいく存在感。モデルになっているティーナ・ブランドンは、実際に地元で女の子たちからとても人気があったらしいけれど、ヒラリー・スワンク演じるブランドンもなんともいえない透明感というか、人を惹きつける魅力(性的な魅力ではなく)が漂っていた。もちろん、典型的な「男」ジェンダーに乗ることで男になろうとしているので、言動は基本的にはマッチョなのだけれど…。クロエ・セヴィニー演じるラナの在り方も、なかなかステキ。まわりの男連中や母親が、ブランドンの正体を知った瞬間に異物扱いでまったく受け入れられないのに対して、自然にブランドンを「彼」と呼び、受け入れる。
しかし、ラナがブランドンに惹かれたのって、ジョンをはじめとする周りの男連中にはない、やわらかさみたいなもので、それってやっぱり女ジェンダーに起因するものだという描き方なのかな~。確か佐伯先生の「男装と女装の文化史」ではそういう分析だったような。

まー、作品全体を通じて、見ていて辛いシーンが多く、もう二度と見たくないというのが正直な感想で、これが現実にあった事件がベースであることを考えると、本当に救いがなくやりきれない。現在だって、トランスジェンダーが受け入れられないような地域はまだまだあるわけで、ああやってリンチやレイプという形で「治療」しようとされることだって起こっているわけで、そういう現実とリンクさせると本当に陰鬱とした気持ちになってしまった。
男女という制度の根の張り具合と、その制度に乗れなかったときの世間からのバッシングがどれだけひどいかということをえぐいまでに描いているという意味では、意味のある作品なんだろう。